ACT.17 ☆運命の再会☆


翌日 アルファン中央広場

「よし、少しは歩いて目が覚め・・・・・・お前たちなァ・・・」

「「普通に眠いです。」」

「もう8時だ。時間が勿体無いだろう?」

一般的には遅い起床である。

「だって・・・」

「なァ。あの後もまだ、修行続くとは思わなかったし。」

「・・・僕が洞窟前で言ったのは、『ここではこれで終わり』としか言っていない。
 今日の行程は終了した・・・なんて、宣言はしてなかったハズだが?」

「「あう・・・・・・・・・」」

「さぁ、言い返せなくなった所で行くと・・・・・・この感じ・・・・・・」

ザッ・・・!

「ま・・・さか・・・」

汗が流れる―――・・・気迫、この重さ・・・
ある意味、何よりも強い念―――・・・

「先輩?」「ソウジさん?」

「・・・あ・・・やっぱりぃーっ☆ ソウジさまぁ!“運命”の再会だネ!」

((な・・・なるほど・・・))

納得。

「いや・・・ハハハ・・・“偶然”ですね。」

「運命も偶然も大差ないョ。全ては必然。コーディとソウジ様の出会いは必然だョ。」

「・・・つーか、・・・何で姫様がここに居るんだ・・・?」

「『クラッシュ』の試合観戦に招待されたのです。
 姫様、ソウジ様が困っています。それにそんな節操の無い事はなさらない様。」

「はぁ・・・い。」

(出た、くノ一の姉さんだ。私服もまた・・・)

(また打ちのめされた。)

何かもうどうでも良くなってきた、リノン。

「でも、変装をしてるって事は・・・」

「ええ、表向きは非公式です。最近は不穏な動きも多いので。」

「・・・・・・・・・あなたしか、“近くには”護衛が居ないようですね。」

「・・・信頼の置ける者は5名ほど、散らばせています。」

「・・・・・・それでも少なすぎ・・・・・・まさか・・・」

勘付く。

「・・・そのまさかです。聞けば、今は修行中との事・・・
 今日の観戦の護衛も1つの訓練となると思うのですが・・・どうでしょう?
 もっとも軍の行動に民間人を巻き込むのは問題なのであくまで
 “その時”が起こった場合は偶然として・・・」

「やるっス。」「任せて下さい。」

「お、おい、勝手に・・・」

「ソウジ様。例の約束だと思って、付いて頂けませんか?」

――――――沈黙。

「・・・分かりました。もしもの際は、僕ら3人が盾になりましょう。
 その前に、キッド、リノンさん。一応話しておこうか。」

「「え・・・・・・?」」



数分後

「言っちゃったんスか!?」

「・・・あぁ。やはり彼にだけは言っておく必要がな。
 知っているのは関係者の僕ら3人と僕から話した隊長とリカードさん・・・
 そしてデーモンバスターのロックハート・クラウン・・・」

「私は・・・あの隊長さんやリカードさんは信用出来るとは思いますけど・・・」

確かに心配は無い。だが、それでも怖い。

「この件は僕の責任だ。彼らが口外した場合は、如何なる理由があろうと斬る。」

「―――っ。」

迷いの無い瞳に恐怖を少し覚える。

「それは既に承諾済みのことだ・・・気にしなくて大丈夫だ。周りは僕が固める。」

「わ・・・分かったッス・・・(でも、なんでリカードさんにも・・・?)」

(さ、さぁ・・・私には分かんないよ。)

「ソウジ様〜〜。早く行こうョー!?」

「は、はい。今すぐ。」


たんっ


「ねぇ、キッド・・・ホントに大丈夫なのかしら・・・」

「・・・そりゃ、幾ら先輩が言ってるからって心配がねぇ訳じゃないけど・・・
 あそこまで言うんだから、俺は頼ってみようと思う。」

「・・・そうね。」