ACT.171 時間



『どうしましたか!?クソの私に勝てないのですか!?』

ガッ!!キィンッ!!

「く・・・!」

「ナメやがってぇえっ!!!!」

弾き飛ばされるブラッドの脇をキッドが突撃する!
しかし、アルベルトの身体の動きは二手も三手も先を行ってしまう。

『2人でこれは少々、マズくはありませんか?!』


ガギッ!!!


『私はあなた方2人がかりならば、
 良い戦いが出来ると思って了承したのに・・・
 これでは頼りないし、つまらない・・・・・・最悪ですねぇ!』

「キッド!!そのまま抑えてろ!!」

「!?」

上空から声―――!
空高く飛んだブラッドの影が見える。

『む・・・!?』

「っ、こーいうのは好きじゃねーけど!!
 こっちは先に進まなくちゃならねーからな!!全力で食い止める!」

『――――――フ・・・っ!!!』

力を緩めてみせるが、キッドがそれに乗る事は無い。
上手く力を合わせて来ている。

(上手いじゃないですか・・・・・・
 そうです、その力をもっと示してください。
 君にしか倒せない敵が現れるのですから・・・!)

「お・らァアアッ!!!」



ズガガガッ!!!



『!!(鋼鉄線付きの・・・くない!?)』

上空から檻のようにアルベルトだけを取り囲み、行動を規制する。
更にブラッドは降下しながら、
もう片側にも取り付けたくないを地面に投げつけ、
アルベルトを完全に拘束する―――!

『ッ・・・!』

「今や!!キッド!!」

「!」



ザァ・・・ッ!!!



「うおおおおおおおっ!!!」

距離を取って剣を前に突き出す。

「フレイムッ!!!」

威力は抑える!
剣は握れないように動きを潰す程度の―――!

「バスタァアアアアッ!!!」



ド・・・ッ!!!!!



『これは・・・参りましたねぇ。二対三としましょうか!』

何故、笑う。
いや、なぜ数が増えている・・・!





『ライトニングボルケーノ!』




ズガッ!!!!




「な・・・っ!」

「火炎の砲撃が・・・!」

大地から放たれた雷によって打ち消された。
撃ったのはサク・・・アルベルトの側近・・・

「って・・・あの女、リノンの相手をしていたはず・・・!」

「ごめん・・・止められなかった。」

どうやら、突然アルベルトの居る方へ逃げてしまったらしく、
対処し切れなかったようだ。

「しゃーねーよ・・・」

「こっから仕切りなおしや・・・」


ザ・・・ッ


『アルベルト様。時間が迫っています。
 直に終わらせるべきです。』

『ふむ・・・そんな時間か。
 なら、仕方ないですねぇ・・・・・・』


?


『残念ですが、戦いは終わりです。
 あなた方には眠ってもらいます。』


ヴ・・・

                        んッ!!!


「なっ・・・!」

さっきまでの動きとは極端に違いすぎる・・・!
移動の痕跡すら殆ど作っていない・・・!

「ボケッとすんな!!」

『まずはあなたです。ブラッド・クィテッド君。』

「!!
 (俺の名前を・・・ファミリーネームまで・・・!?)」

『知ってますよ・・・
 君がどうして、あの田舎町の学校に通っていたのかも・・・』

「!」