ACT.26 大火/天真忍術


城門前
「こいつで最後だ、決めるぞ!らあっっ!!」

『ぷギャぱあアッッ!!!』

斬撃を与え、

「氷魔法、グラニータ!」

氷の中に封じ込める。が、

『グルアアアアアアッッ!!!』

バキィイィンッッ!!!

「んなぁっ!!」

「氷薄いョ!何やってんのォッ!?」

氷で封じ込めたはずが割れる!

「火事の熱で氷が持たないのよ!(ってブライト艦長?)」

「バッカ!もっとちゃんと詠唱しろっての!(誰だよ、ソレ)」

「こんな暑いトコで氷を出せるだけでも凄いと思いなさいよ!」

発動する人間の集中力が途切れれば、その効果は半減する。
暑い場所で氷、寒い場所で火など逆のモノを生み出す時は特にそうなりがちである。

「・・・・・・熱。姫・・・私から離れて二人の元に。」

「やるんだね、リカ。あなたの実力、見せちゃいなさい。」

ザッ!

「退いて下さい。」

『グル・・・・・・ガアアアアアッッ!!!』

1歩前に出ているリカードに巨大トカゲのモンスターが、
鋭い牙で襲い掛かる・・・が、彼女は微動だにしない。

「天真忍術・・・土遁・・・・・・」

右手を地面に素早く当て、魔力を送り込み押し下げる。

『ガアアアアアアアアッッッ!!!』

「鐵柩刺(クロガネヅキ)。」

ズガバッッ!!!

「うおおおおっっ!?」

「い、岩・・・鉄・・・!?」

『ガがッッ!!』

漆黒の鉄がドレイクを封じている。

「硬度の高い岩石があって助かった・・・あとは」

指を鳴らす・・・・・・

「鐵の棺の中で」

ギュガガガガガガッッッ!!!!

『――――――――――――!!!』

「眠りに就くがいい・・・・・・」

バシュゥゥッ!!

「すっげぇ・・・・・・」

「っていうか・・・中で一体何が・・・」

「アレはリカの故郷、天真忍軍の土遁術の1つだョ。
 魔力で土や岩から鋼鉄レベルにまで固めた柩の中に敵を取り込んで、
 最後は中に向けて鉄の刃で串刺しにするんだョ。」

「だ・・・だョ・・・って・・・」

「すっごい、怖い技だね・・・アハ・・・」

ドォンッッ!!
「「―――――――――!!」」

「図書館の軍事書籍棟・・・からですね。」

「・・・って事は・・・メノウさんが居るんじゃないんスか!?」

「急ぎましょう。あそこからも城に入れます。」



同刻

「国王と姫・・・いや、国を裏切った罪は重いぞ・・・・・・」

『さっさとかかって来い・・・拙者の相手は何もお主でなくてもいいのだ。』

バッ!

「俺の眼の前で誰かを死なせるような真似はさせん!」

抜刀の構え・・・対して、カタルカスは斬艦刀(巨大剣)による上段の構え・・・

『・・・拙者の唐竹が速いか、それともお主の抜刀か・・・・・・』

「悪いが・・・俺はな・・・・・・貴様より速い!」

瞬時に踏み込む。抜刀――――――!!

『ヌゥッッ・・・!!!(太刀筋が短い・・・!!)』

確かにロックハートの刀は通常よりやや短いが、
余りに長いリーチの大刀相手ならば、鍔迫り合いは可能・・・

「シッ!!」

ズんッッ!!

「――――――・・・・・・!!」

『そんな刀で・・・この斬艦刀を受け止めようとはな!』

「一筋縄で行くような男では無いことくらい、お前が一番知っているだろう!?」

大刀の腹に刀を滑らせつつ、2歩下がり、且つ体を捻る。

『何ッッ!!!(ムゥッ!振り上げねば・・・!!)』

瞬時の動きで捻りの反動を使い、右手の刀を突き出しながら一足飛びを仕掛ける。

『抜刀からの・・・・・・刺突・・・!!』

「スピード主体の俺に力任せだけでは意味は無い!」


フウ  マ  イチ モン セン
 風 魔 壱 紋 穿 ! ! !