ACT.3 プロローグ/紅の刻印
手を翳す・・・高く、雲に隠れ、僅かに見える太陽に向けて。
“うが!?”
バチッッ!!!チチチッッッ!!!
「うああっっっ!!!」
「キ、キッド!?(赤い光が・・・何でいきなり!?)」
苦しいか!!!やはり、所詮は人間!!
「るせぇ!!ムカつく事ばっか言いやがって!こんな痛みや熱さ!!どうって事ねぇ!!
テメェの力、テメェが嫌って思う程使わせてもらうぞ!!」
・・・・・・契約は成された・・・お前の“誠なる心”で戦え。
“違えた心”ならば、貴様の身は滅びよう・・・だが、満たせばあるいは・・・
ジュゥゥゥゥゥッッッ!!!
「ぐぅっっ・・・!な・・・何だ・・・!?」
右腕が焼けつく―――!
「そ、それはこっちのセリフ!訳わかんないコト・・・・・・あぁっ、前っ!!」
「――――――!!!」
“ソの力、壊す!!厭な感ジ!”
放て!!我が力を!!そして、その醜き愚かな俗物を焼き払え!!
「訳分かんねぇのは、俺も同じだ!!どうにかしてやるけどな!!」
少年の右腕から紅き炎が舞い上がる。
「!?な・・・なに・・・?」
それが・・・俺とそいつとその力との出会い・・・・・・
「炎・・・!!」
“!?そ・・・ソレ・・・何ノ魔力―――!?”
オオオォォオオオオォォォ・・・・・・!!!
「すげぇ・・・力が・・・コイツから力が溢れて、俺に入ってきてる・・・!
・・・これなら・・・・・・」
“ゾクッ・・・!?”
「・・・みんな・・・助けられなくてゴメン・・・せめて、仇だけでも!!」
“かガッ・・・!?なん・・・だ!?魔力・・・人間から感じナい・・・!
のに・・・!何ダ・・・!?そノ炎ォッ!!”
(な・・・何なの・・・!?)
ゴアッッッッ!!
「テメェはブッ飛ばす!!みんなの痛みを思い知らせてな!!」
炎が周りの空気を飲み込み更に大きく、赤く燃え上がる。
「すごい・・・(この強力な魔力・・・!キッドの魔力なんかじゃない・・・!)」
“うア!!!アアガがああ!!”
「逃がしはしねぇ!!吹き飛べ!!」
ズッッ!!!!カァッッッッ!!!
“――――――――――――――――――!!!!”
―――――――――――――!!
「・・・はっ・・・・・・はっ・・・・・・はあ・・・」
「い・・・一撃で・・・粉々に・・・キッド・・・」
「へへ・・・倒せたぜ・・・」
ジュぅッッ!!!
「っっ!!」
「・・・手の甲に火傷・・・違う・・・何これ・・・紅いマーク・・・?」
「龍の・・・カタチしてる・・・」
俺に戦いの始まりを告げる刻印が押された・・・
紅い・・・紅い刻印が・・・