ＡＣＴ.３０ 大火／消滅
『けどまぁ・・・国王ながら、流石は大剣豪の１人だっただけあって、
このローズでも中々殺させてはくれなかったケドねぇ・・・』
「お爺様が・・・・・・死んだ・・・・・・？」
『・・・丁度いいね。コーデリア姫を渡しな。ソーライトのボウヤから大体の話は』
バギッッッ！！！
『―――――――――ァアッッ！！』
吹き飛ぶ！
「なっ・・・！」
「キッド！？」
が飛び出し、殴ったのだった。
『ガキィ！！何してんだ、このアタシにィ！！！』
「何をする・・・だぁ！？てめぇ、ふざけんなよ！！
女だからってこれだけは容赦出来ねぇ！！」
右手の炎が燃え盛る。
「この国をずっと守ってきた人を殺した奴を誰が許せるかよ！！」
『ハッ・・・・・・あんなジジイに何の価値があるってんだい？バカバカしいねェ。』
「この・・・ブス！！覚悟しやがれ！そんで、泣いて姫に謝れよ！！」
『・・・フッ・・・！その炎・・・そーか、アンタかい。
ヒルダンテス様がもう直ぐ現れるとか言ってた紅の刻印のボウヤってのは。』
「お・・・ラアアアッッッ！！！」
ズバンッッッ！！！
『遅いよ、ボウヤぁ？』
「――――――！（この距離で避けられた・・・！？）」
『身体は殺させてもらうとしようか。』
マズい・・・！
「キッド君！避けろ！その女の腕力は普通では！」
「――――――おおおおおっっっ！！！」
トンファーが当たる寸前に身体のバネを使い、避ける。
『―――！（バカな・・・！）』
「らアアアッッ！！」
ガキンッッッ！！
『――――――ッ！！』
徐々にキッドが押していく。
『くっ！（このガキ・・・戦いには慣れてなさげなのに・・・どうして・・・！）』
「テメェらのせいでこの町の人達が苦しんでるんだ！
その痛みを少しでも分からせてやる！この炎で！！」
ドォッッ！！
『ッァッッ！！』
この時だったのか・・・
初めて龍の力を自分の想いに乗せて放てたのは・・・
それまでは使えば少しの痛みだとかはあった・・・
けれど、この時は初めて全く痛みを伴わずに使うことが出来た・・・
「アアアアアアアアッッッ！！！」
『ぐっ・・・・・・ふざけるなっ！！』
ゴバッッ！！！ ドサァッ！！
「うああっっっ！！！」
軽く地面に落ちる―――
「キッド！！」
「魔力弾！大丈夫、あの程度なら至近距離でも打撲程度・・・・・・」
ザリぃッ・・・！
「はっ・・・・・・はっ・・・・・・」
『くっ・・・・・・癪だねェ・・・・・・』
血が流れる・・・互いに・・・
『まさか、第一次覚醒が終わるか終わらないかって程度のガキにやられかけるとは・・・
まぁ、いいさ・・・目的の１つは果たしたからな。』
「貴様ッ！逃がすか！」
リカードが１０本のくないを投げる。
『！』
パシィッ！！
「―――！（・・・速い・・・！）」
『これでローテルダムも終わりさ・・・
そして、いずれはプリンセス（コーデリア）も我々の手中に。』
フッ・・・・・・！！
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・ま・・・まだ、あの女が言ったコトが本当かは決まっていない・・・
俺は部下と共に捜索に向かう！キミ達はこの場で休んでいろ！」
その後・・・
魂の抜けた虚無が晒された姿を彼らは見ることになった。