ACT.5 刻印を持つ者


「ってコトなんスけど・・・」

「・・・・・・なるほどな。」

「信じてくれるんスか?」

「リノンさんまで言うんだから、本当なんだろう。」

「ヒドいッス。」

「言われても仕方ないって。」

「ただ・・・僕の思い当たる所はないから、調べてみようか。
 意味不明なままじゃ、どうしようもないだろう。」


この人は『ソウジ・イムラ』。1つ年上の18歳(もう誕生日過ぎてる)
神刀流っていうかなり大きな流派の人で、もう免許皆伝をしてる凄腕の二刀流剣士。
剣道の試合で知り合ってから、良くしてもらってる。
とても頼りになる兄貴って感じだが、見た目は長髪のせいもあって女に間違えられる。
メチャクチャ美形で頭良くて、人気はあるけど、それを鼻にかけたりしないし、
むしろ、そう言うことには無関心というか気付いてすらいない。


「調べる・・・って・・・」

「ローテルダム王国、首都ローテルダムにある中央大図書館にね。」


ローテルダム王国。それが俺達の住む国。
1300年ぐらいの歴史があって、この世界でも一番長く続いている国だ。


「でも、あそこって城に仕えてる人くらいしか入れないって聞きますけど。」

「僕は城に出稽古に行ってたりするから、頼めば多分入れてくれるさ。一応、関係者。」

「さっすが、ソウジさん。どっかのバカとは違いますね!」

「バカいうな、ボケ。」

「何がボケよ!アンタに言われたかないわ!」

「・・・魔物にビビって腰抜かしてたのはどこの女だよ。バーカ。」

「おいおい・・・もう止めておけ・・・どっちも、もういい大人なんだから。」

「「そうですよね。」」

「(単純な所は同じなんだよな・・・この2人・・・まとめやすくて助かるけど。)
 まぁ、今日直ぐっていうのは・・・ね。亡くなった方の・・・ね。」

「えぇ・・・」

「明日の朝にまた来るから、寝坊だけは絶対にしないでくれよ?」

「あ、はい。」

「まぁ、安全も確保できたから、一度帰るよ。」


ザッ・・・ザッ・・・


「・・・・・・(あの魔力・・・・・・もしかしたら奴と繋がりがあるかも知れない。
 ・・・・・・悪いが・・・・・・少しばかり・・・)」



<???> ィィィイイィィンッッ 「・・・・・・共鳴・・・・・・  解かれていない刻印のどれかが『刻まれた』か・・・」 「どうしますか?」 「・・・俺はとりあえず、反応のあった方へ。あなたは例の・・・」 「ローテルダム王国領・東大陸南東部・・・リブリスですね。分かりました。」 「くれぐれも気をつけてください。刻まれたとなれば、奴らも・・・」 「大丈夫です。そちらもお気をつけ下さい。」 ザ・・・っ・・・ 「・・・時間が無くなってきたな・・・早く終わらせなければ・・・」
<???> 『・・・3つめ・・・みたいね・・・』 『・・・あぁ・・・・・・“紅の刻印”が“刻まれた”様だ・・・  クク・・・何処の誰かは知らぬが・・・  刻印を刻ませるとはそれなりに力を持った者だというコトだな・・・』 『・・・言ってる場合でもないでしょう?  もし、人間が刻印を刻んでいるのならば位置だけでも調べないとね・・・』 『まぁ待て・・・刻まれて直ぐは余りに危険だ・・・  “紅の刻印”は私の“閃光の刻印”をも凌駕し得る力を持つ・・・  大人しくなる所で手に入れた方が手間が省ける・・・』 『・・・それもそうね・・・』 『・・・そういえば、あの小僧はどうした・・・?』 『私達と同じく、アレを捜しているみたいって聞いたわ。』 『・・・・・・互いに手詰まりか・・・・・・  ・・・・・・まぁいい・・・刻印を持つ者と鍵を持つ者は必ず廻り逢う・・・  その時こそ、閃光の刻印・・・お前の真の力を使う時だ・・・  その時まで・・・まだ暫く辛抱してもらおうか・・・そして・・・』 バチィッ!!! 『“奴”を殺し、秩序からこの世界を開放し、新たなる世界を創る。』