ACT.51 脱出/見事な決着




ガッ・・・キィィィンッッッ!!!


「―――――――――!!」

『ムゥ・・・・・・やはり、“出来る”な!!』

「ソウジ様っ!頑張って!!」

「あれ程の巨大なハンマーで彼の瞬速二刀流を・・・」

鍔迫り合いから、双方が後方に下がる。

「(・・・速さは然程ない・・・だが、読みに優れいる・・・
 だから、明らかに彼より速い僕の攻撃を受け止められる・・・
 相当の修羅場を潜っているな・・・!)
 ・・・強いな・・・・・・だが、その力を使うべき場所は間違えたようだな。」

『・・・人には皆、何らかの志があり、それを糧として生きる・・・
 もっとも・・・人の真意など早々に理解は出来ぬだろう。』

「(・・・?)
 なるほど・・・志が違う・・・だからこそ、相対する事もある・・・」

『そうだ。人の歴史とは、正しくそれらの積み重ね。我らもまた、その1つになる。
 吾輩は1つ1つの戦いの中で無駄には過ごしたく無い。何らかの結果を、意味を残す。』

「そうか・・・・・・ならば結果が残るとしたら、君の敗北だ。」

ソウジの周りの空気に変化が現れる。

『・・・!(流石は天才剣士の一族・・・面白い。)』


ヒュ・・・     バッッ!!


『――――――!!(読めん・・・!)』

「神羅・・・・・・!!」

『おおおおおおおううっっっ!!!!』

叩き潰す・・・!!が!

『なぁっ・・・・・・!!!』

「鏡崩刃!!」


ザガッッッ!!!


『ぐぬっっ!!(分身術・・・!?)』

斬り払ったが、それは実体を成した分身―――
そして、ソウジの一撃も効果が余りない。

「・・・標準装備より硬い鎖帷子(くさりかたびら)か・・・」

『ふグゥ・・・!』


どんっ!


『見事な一撃!まだその年で、これほどの神速と剣術を持つとは・・・
 単なる才能だけでは片付けられぬな・・・並々ならぬ努力があったろう。』

「・・・・・・初めてだね・・・そう云う風に言ってくれた男は。」

『だが・・・・・・』

「―――――――――!(何だ・・・この悪寒は・・・!)」

『危険な芽は摘んでおくべし・・・とでも言おうか!!』

先よりも更に強力な一撃を地面に叩き付ける。

『うおおおおおあああっ!!!!!』



ブォオオオッッッ!!!



「――――――ッ!(衝撃波・・・!?)」

『更に・・・!!!』

叩きつけた影響で割れた地面を抉る様にして、次は撃ち上げる。

「ッ!(岩の飛び道具・・・だが、この程度なら・・・)」

『それだけでは終わらぬ!!』

更に重ねて振り回す!

「――――――!!(これは・・・!なら・・・!)」

『おおおおおおおおおおおうううううっっっ!!!!』



グバッッッッ!!!!           ドシュッッ!!!



「そ・・・ソウジ様ァッッ!!!」

「―――――――――ッッ!!!」

地面に落ちる寸前で手を付き、跳ね起きる。

「はっ・・・・・・はっ・・・は・・・っ・・・」

『衝撃波で動きを止め、岩を飛ばして終わりと思ったか?』

「・・・まさか、地面の岩や石を飛ばし・・・更に
 衝撃波を後付けして岩の飛翔速度を速めるとは・・・ね。」

『まだ、実戦経験が吾輩の半分にも満たぬが故の失態・・・恥じる事は無かろう。』

「・・・・・・御互い様だからね。」

『!?』


バキィィィ・・・・・・       ンッッ!!!


『な・・・吾輩の・・・』


斧が崩れ去る。


「あなたは二度目の衝撃波を放つ際に僕の方から一瞬、目を離した。
 その隙に僕は神羅極円刃で生成する事が可能な魔力の刃で武器破壊をさせてもらったんだ・・・
 勿論、攻撃を受ける事は覚悟の上でね・・・」


『・・・・・・見事だ。この勝負・・・この度は吾輩の負けだな。』