ACT.73 突出
「行くぜ、師匠と書いてばーちゃん!」
ダンッッ!!
「ほう・・・
(中々、動きが良くなってるねぇ。スタミナが余り無いのが残念さね。)」
「ハァッッ!!!」
「それじゃ甘いんだよ、ボウヤ。」
キッド唐竹を受け流し、逆に刺突を繰り出す。
「―――――――――ッッ!おおおおっ!」
「反撃の突きを防御出来るようになったかい。」
だが、押し返す。
「はっ・・・・・・はっ・・・・・・
(強ぇ・・・・・・)」
「次は俺だ・・・
(今日のメニュー・・・・・・)」
アタシから一本見事に取るか、
この半径1メートル半の円から一歩でも外に出せたらボウヤ達の勝ちさね。
1人でかかってきてもいいし、2人がかりで来たって構いやしないよ。
ただし、魔力は厳禁さね。今日はあくまでも剣術だからねぇ。
「(打ち破る・・・)・・・行くぞ!!」
ボッッ バッ!!!
「速いねぇ。
(抜刀術を生かす為によくここまで瞬発力を上げたね。
これがゼロの何らかの能力の突出・・・この子の場合、神速か・・・)」
「蒼覇赤天斬!!」
ガッッ!! がガッ!!!
「このアタシを打ち上げられただけ、進歩出来たと言えるねぇ。でも・・・」
「いや・・・まだだ。」
「―――――――――!」
ミサトを打ち上げると同時に瞬時に納刀し、
「風魔壱紋穿!!」
空中の数秒の間に抜刀する!
「ふっっ・・・・・・!!」
「俺の剣技は一度では終わらん!!」
引き抜いた刃をそのまま――――――
「なるほどねぇ・・・
抜刀斬撃で更にその遠心力で腰を捻り、
次はその反発力で突き刺すのかい。中々、イイ連撃さね・・・・・・」
「――――――!」
読みきられた上に・・・居ない・・・!
「ロックハート!後ろだ、バカ!!」
「チッッ!(速すぎる・・・・・・!!)」
「そうやって、アタシに何か言われて躊躇って、
最後まで突き刺さなかったのが運の尽き。
剣士は決めた事は最期までやらなきゃねぇ。」
「「なっ・・・・・・!!」」
後ろに居たハズのミサトが霧のように消え去り、元の場所から―――
「がっっ・・・・・・!!」
「マ・・・マジかよ・・・・・・」
「神羅鏡崩刃・・・ちょっと力を出しちゃったねぇ。」
ザリ・・・ ぃっ・・・!
「空中で2度も高速移動するとは・・・
・・・・・・人間離れもいいところだ・・・」
「さ・・・どうする・・・ボウヤたち?」
(強ぇ・・・!)
これで60、70の老体なのだ。
ロックハートはソウジ並に強い事ぐらいキッドは分かっている。
だが、それでもまともに敵わない・・・
「・・・・・・ッ!覇ァッッ!!!」
ビッッ!!!
(ばーちゃんに掠った!?
つーか、あの野郎、ヘバってたんじゃ・・・)
ミサトは右薙を僅かに受けるが、逆に唐竹からの一撃を撃つ。
「(退くかッ!!)オオオオオオッ!!!」
「!(緑髪のボウヤは合格だね。)」
ゴバッッッ!!!
「・・・はっ・・・はぁっ・・・・・・」
「ばーちゃんの竹刀を・・・」
カラン・・・ッ
「折りやがった・・・・・・」
「武器がなくなったんじゃ、アタシの負けだねぇ。良くやったよ。
確実に決まると思われる唐竹の一撃に臆する事無く、反撃して来た。
その死線を怖れない心があれば、何とかなるね。さて・・・
トンガリ頭のボウヤはあと何回でアタシを追い詰めれるかねぇ。」
「次で・・・決めるぜ。(負けてらんねぇ。)」