ACT.78 大戦/衝突


数分後

『我々はローテルダム王国騎兵隊、第三大隊所属第四中隊!』

『我が国への侵略行為に対する制裁の為、これより』

「フン・・・」

ロックハート1人が前に出てその中隊の侵攻を阻む。

「でっち上げた開戦理由であっても、
 前国王の仇討ち・・・は入れないのだな・・・それだけで反吐が出る。」

『!?』

『隊長、この男・・・少し容姿を変えていますが・・・』

「・・・・・・ここまで来れば、姿を変える必要も無い。」


バッ!


「・・・貴様ら全員相手にしてやる。来い。」

全ての変装道具を払い、抜刀の構えに移る。

「全て・・・殺してやる。」

(!!アレは・・・!)

(そんな・・・嘘でしょう!?あの方は・・・!)

『・・・小僧・・・
 ・・・全世界指名手配の・・・だな?』

『なるほど、賊国への助勢行為をして更にその手配を強めたいのか。』

「御託は要らん。
 来るのか、来ないのか、ハッキリしろ・・・カスが。」

『・・・・・・やれぇっっ!!!』

『『『『おおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!』』』』


雄叫びと共に前方五方向から襲い掛かってくる。


「フン・・・5人とは俺も嘗められたものだ。」

「ロックハート君!」

「・・・今は少し下がって、部隊長の傍にでも居ろ。
 下衆に制裁を与える間はな。」

『『『ガキが、』』』『『死ねぇッッ!!!』』


ド      ・・・・・・オォンッッ!!!


「―――――――――――――――。」

吹き飛ぶ―――――――――!


『『が・・・・・・・・・。』』    『ゴフッッ・・・・・・』

       『『ぐぇ・・・・・・』』


「・・・俺の前からかかってくるのなら、ある程度は命を許してやる。
 だが、俺より後ろに行った場合は確実に殺してやる。」

『おおおおおっっ!!!』

背後から斬りかかってくるが―――


「遅い・・・」


ズンッッ・・・・・・・・・っ!!!


『―――――――――?!
 刀・・・・・・じゃ・・・・・・な・・・・・・』

心臓に透明な緑色の刃が突き刺さる―――

「・・・・・・こういう感じでな・・・」

『あ・・・・・・っ。』



           ドシャッ!



『なっ・・・!何なんだ、コイツは・・・!』

『右肩から、緑色の魔力・・・!翼が出ているぞ!?』

「・・・・・・
 (以前は、羽のように薄い魔力でしか攻撃出来んかったが、
 今は翼をニードルの様に変化出来る・・・師匠とやらに感謝だな。)」


ザァ・・・ッッ!!


「そういえば・・・名乗っていなかったな。」

『『『う・・・・・・・・・』』』

その言葉だけで身を構える。
もう、精神レベルでロックハートが支配している。

「ソーライト王国騎兵隊 対魔専任剣士隊所属、及び
 クリスティーナ・シラ・ソーライト王女専属近衛兵・・・ロックハート・クラウンだ。」

(や、やはり・・・!)

((あのお方が・・・・・・!!))

(え・・・・・・?どういう事ですか・・・・・・?!)

「ユーリケイルへの恩義とソーライトへ報国の為、参上した。
 この俺に敵うと思う愚か者から来い。全て薙ぎ倒してやる。」

『・・・・・・くっ!!やれぇっっ!!
 50人斬りをやったガキだろうが、ガキはガキだ!!殺せ!!』

『『『『おおおおおおおおおっっっっ!!!!』』』』

「・・・・・・我流・・・・・・蒼覇赤天斬。」


ド ガ  ガ ガ   ガッ  ッ ッ ! ! !


「“あのお方”って・・・どういう意味なんですか・・・!?」

「き、君は知らずに共に行動していたのか!?
 彼は・・・“ロックハート様”はこの国の正統後継者だったお方だ!」

「――――――!!(王子・・・!?)」


ゴバッッッ!!!


「・・・・・・・・・やはり愚かだな。」

『つ・・・強い・・・!』

「・・・貴様らは信じる者を間違えた。
 だが、信じているのなら命も惜しくないハズだ。」

『『『―――――――――!!!』』』

『『『う・・・ああ・・・・・・っ!』』』


次々と後ずさる・・・


「なるほど、逃げるか。
 だが・・・今日はすこぶる機嫌が悪いんでな・・・・・」

「!! 
 ロ、ロックハート君!ダメ・・・っ!!」

「・・・この国を穢す事は許さん。
 シルフィード、そういう訳だ。頼むぞ。」



ド・・・・・・・・・ォォオオッッ!!!



『『『『うあああああっっ!!』』』』   『つ・・・翼っ!』

      『なんで、巨大な・・・っ!!』


「・・・言っただろう・・・?
 “ある程度は許してやる”と・・・残念だったな。
 貴様らはそれらに値せん程度だったという訳だ。」


『『『―――――――――!!!』』』


「消え失せろ。“片翼の衝撃”。」