ACT.81 大戦/眼


『『『うああああっっ?!』』』

『なっ・・・なんなんだ、これはっ!』

『体の中が・・・・・・外じゃなくて・・・中がッッ!!』


ドササッッ!!


『ぐあああっ・・・
 ・・・何なんだよ・・・ッ!!』

次々に倒れて行く敵兵士―――
だが、外傷など見当たらないし、中身が傷付けられているようにも思えない。

「精神攻撃魔法ミッドナイト・サンよ。
 効果は精神を直接痛めつけるちょっとアレな魔法だけど、
 この人たちにはちょうどいいぐらいね。」

「・・・新しく覚えたのか。」

「違うよ、前から知ってたもんね。
 使えたの学校じゃ私ぐらいしかいないけど。」

「そ・・・そうか。
 (この女、結構自信家だな・・・)」



ド ド  ド ド ド・・・・・・!!!



「!」

地鳴り―――遠くから軍勢が迫ってくる。
さっきの比では無い。

「「まだ来るのか!」」

「・・・トルレイトも居る・・・トルレイトは血の気の多い連中ばかりだからな。
 国民皆兵と言っても過言ではない。数だけは中々、面倒だな・・・」

「・・・・・・」

“・・・主。
 まだ、未完成ではあるが、私はアレをすべきだと思う”

「・・・うん。私もそう思った所。
 一体凝縮だとキツイから、分散で行くよ。だから、一度戻って。」


ヴゥ・・・ンッ。


「・・・・・・何をする気だ?」

「ヒミツ。でも・・・手伝ってくれない?
 竜巻起こして威嚇してくれればいいから。」

「・・・分かった。
 (震えはあるが・・・強いな・・・)」




同刻 ミサト邸

「派手にやってるようだね・・・・・・・・・」

遠くで爆発音などが聞こえる。

「はっ・・・はぁっ・・・・・・!」


汗よりも息が荒れる。
そんな、爆音など聞こえてなんかいない。

余裕がないんじゃない。集中している―――


「そして・・・
 (こっちもあと少し・・・もう少しで自分らしい戦い方に気付く。)」

「・・・・・・まだ・・・大丈夫だよな・・・」

「・・・さてねぇ。
 ウチのソウジと緑髪のボウヤの力があれば、
 結構簡単にやっちゃってるかもねぇ・・・」

「・・・・・・冗談じゃねぇ。守りたい気持ちは俺が一番だ。
 これ以上、ダセぇ真似出来っかよ・・・次でばーちゃんから一本取って、行くぜ!」

「・・・いい眼じゃないか。
 あの大馬鹿と全く同じだよ。期待出来るじゃないか。ハ・・・!!」


ドゥッッ!!!


「な・・・なんて力だよ・・・・・・」

魔力と別の何か―――気迫が襲い掛かってくる。

「それに・・・大馬鹿って・・・?」

「サービスさね。アタシから攻めてあげるよ。
 スネイクの息子なら、それ以上の力を持って居るハズだ!見せてみな!!」

「―――――――――!!(親父の名前・・・!!)」

「神刀流・・・影業(かげわざ)!!」





同刻 ユーリケイル城
「うー・・・・・・・・・」

「そんな怖い顔しなくても大丈夫ですよ、コーデリア姫。
 数は少ないけれど、この国の兵士はとても強いんです。だから、負けることは無い。」

と、ヴィンセントが不安げな姫様をなだめてみるが、

「そんなコト、言ったってぇ!」

この繰り返しである。

「姫、お声が大きいですわ。」

そしてこのツッコミ。
総じて20回。

「・・・大丈夫です・・・
 姫が一番信頼しておられるソウジさんが居るんでしょう?」

「うん、けど、不安なモノは不安だョ!」

「・・・それは僕も同じですが・・・大丈夫です。
 僕らには信じることしか出来ませんが、
 その出来る事すらしなければ、本当に大変なことになります。」

「!・・・・・・そうだね。
 うん。信じてみるョ。戦ってるみんなのこと・・・」